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もしよろしければ、実際の具体例など伺えますか?

高橋 ええ。地主様の個人名を挙げるわけにはいきませんが、代々農業を営まれてきたある地主様がいらしたのです。以前に一緒にお仕事をさせていただいた方からのご紹介でした。この地主様は広大な農地を所有しておられ、それまでも土地に対する税負担増に農業だけでは維持していくには手が回らなくなり、貸工場や貸倉庫などを経営されていたのですが、さらなる税対策の観点から新たな土地活用の必要性に迫られていたのです。

大石 やはり地主様にとって、税負担は相当なものなのでしょうね。

高橋 そうです。そこで税対策を目的に古い倉庫を取り壊し、新たな貸店舗として建て替えることをご提案しました。当然、そこには借入金が発生します。もちろん節税策としては、それが目的でもありますが、リスクを抱えたのでは何の意味もありません。そこで、資金を集める方法として『定期借地権』があることを説明しました。定期借地にしていれば、いざという時にその保証金を借入金の返済に充てることができるというわけです。また、その保証金を運用することも可能です。ただ貯金していたのでは、金利がここまで下がってしまった時代では目減りしてしまうことも考えられます。実際に、この地主様は私どもがご提案した保証金を運用してのマンション経営にご理解を示され着工準備に入っています。こうした保証金の運用ができる点も、定期借地権の特徴でもあります。

常にあらゆる角度から、さまざまなことを想定し、一歩先の提案をなさるわけですね。でも、そのシステムがいくら地主様のためになるとはいえ、高橋社長を介して、他人に大切な土地を貸すわけですよね。そういった意味でも、先駆者としての苦労などがあるかと思いますが、どうなのでしょうか?

高橋 そうですね。地主様にとって、いろいろな思いの込められた大切な土地だからこそ、難しい反応も至極当然のことと受けとめました。そうした地主様の思いを大切にしながら、最も有効的な土地活用のお手伝いをさせていただくこと。それが 橋企画事務所の仕事だと思っています。それには、地主様との強固な信頼関係を築くところから始まると思うのです。
だから先ず私は、地主様に私という人間を分かっていただくことに十分な時間をかけています。そうした部分に手を抜かずに取り組むことが、私はとても大事なことだと思っています。
<建物を築くより先に築くものがある>それが、 私の持論です。  《3へ続く》


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